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帰郷

週末、若旦那を連れて実家に帰郷した。

父は終始テンション高く、にこやかに若旦那をもてなしてくれた。

父が、外で働いていない若旦那を一体どう捉えているのかはよくわからず、もしかしたら内心はこの結婚話を土台のあやしいままごとのような話だと思っているのかもしれないが、とはいえにこやかにもてなしてくれた。

おそらく、都会の裕福な家には若旦那のような境遇の人が普通に存在しうるものであり、多少の不安はあっても私が選んだ以上は快く嫁がせてみようと思っているのかもしれない。どうなるかわからないと思っていた長女が、いきなり思いのほかしっかりした家に嫁ぎそうなところも、面白そうだと思っているような気がする。

若旦那は社会で生き抜くということが少々あやうい点を除けば、性格的にはやさしくておっとりしているし、礼儀正しいし、うちの家族と人付き合いする上では特に問題ない。父の話は講釈めいて冗長で、娘の私も妹も、妻である母すらも辟易することがよくあるが、若旦那は自分に話しかけてくれるのがありがたいと言ってしきりに感謝していた。若旦那、なかなかうちの父と相性がいいかもしれない。

実家では、お茶を飲んでひとしきり休んだ後、うちの畑の作物を試しに収穫してきたらと言われ、若旦那に長靴をはかせて帽子をかぶせて畑に出した。きゅうりやじゃがいもを少しずつ収穫して家に戻り、汗をかいた若旦那にシャワーを貸して着替えさせた。

日ごろポテトチップが大好きな若旦那は楽しそうに畑でじゃがいもを掘り、

「こうやってできてるんだなあ、食べ物のありがたみを感じるなあ。ポテトチップ、今度から大事に食べよう…」

と素直に感動していた。帰った後、私の家でリラックスできたと話していた。

都会でしか暮らしたことがなく、旅行もほとんどしない若旦那が、田舎の私の家に連れてきて一体どんな反応をするのか心配だったが、この調子なら、うちの田舎ともうまくやっていけるかもしれない。

ちょっと安心した。

by rendaya | 2008-07-22 19:00 | ひとり暮らし

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